お酒の起源 お酒のお話し

世界のお酒の進化と盛上り

 私たちは日々、生活の中にアルコール飲料を取り入れ、嬉しいにつけ、悲しいにつけ人生の要所にお酒のお世話になっています。

ビール、日本酒、ワインはもとより生活のシーンを飾るようにお酒はなくてはならない文化の一部でもあります。近年は、より深く趣味の一部のようにワインのビンテージ物やコアなお酒も近くに感じられるようになりました。

 日本酒、吟醸酒、純米酒、大吟醸、地域の特徴あるウイスキー、ウォッカ、高級なフランスのシャンパン、スペインのカヴァ、などのスパークリングワインやシェリー、カルバドス、シードル、シードルポワレ多くに人たちがマニアを名乗り深いお酒の世界に、酔いしれています。

最近は国産ウイスキーも世界に驚きを与える存在になり、クラフトビール、国産ワイン、国産シードル、ポワレ、国産ウォッカまで作るようになっています

 お酒にまつわるいろんなお話は人生に潤いを与え、効率を重んじそつなく生きようとする人間社会に無駄の大切さと、思い通りにいかないことへの言い訳の大切さも教えてくれます。

 お酒=人間性ともいえるし、人生の間合いというか、ある意味スピリチュアルな意識も生み出すことがあります。しかし多くの人はお酒で失敗を繰り返します。その失敗談もまた、社会にとってのクリアランス、大きなお酒の価値を高めてくれる要因の一つなのです。 

 

 jpg

 

 

9000年前の酒の味

 ここに9000年前のアルコール飲料がどんな味だったのか研究している考古学者がいます。(ちなみに日本の縄文時代が2300年前~13000年前ですから縄文前期にはアルコールは厳然と存在していたということ。)

その人の名はパトリック・E・マクガヴァン、お酒の起源にまつわるお話、いろんな国のいろんな文明から生まれたお酒。9000年前のお酒はどんなお酒だったのだろう。キリスト教の聖餐のワイン、シュメールの女神ニンシカに捧げられたビール、ヴァイキングの蜂蜜酒ミード、アマゾンやアフリカの先住民が飲む秘伝の酒などがある。 

そして、「ワインはなぜ世界のさまざまな文化圏で何千年も前から人々を魅了し続けているのか」と研究は原初の地球、銀河系宇宙にまで広がっていきます。テーマは考古学ばかりではありません。

「エタノールという単純な有機化合物であるアルコールは世界共通の薬物であり続け、なかでもワインには天然のアルコールが最も高い濃度で含まれているからだ、と飲料として飲むにしろ、肌に塗るにしろ、人間は歴史を通じてアルコールの効果に驚かされてきた。

からだに恩恵をもたらすことは明らかで、アルコールは痛みを抑え、感染を止め、病気の治療にも役立つように見える。人の心理や社会への恩恵もまた明白であり、アルコールは日常の悩みを忘れさせ、社会の潤滑油となり生きる喜びを与えてくれる。」 

 

 

 

古代のアルコール飲料

そして考古学者は続けます。「私がこれまでに偶然の発見やサンプリングを通して論じてきたのは、人類が何千年にもわたってアルコールを探求してきた歴史のごく一部に過ぎない。中央アジアやインド、東南アジア、太平洋の島々、アマゾン流域、オーストラリア,そして、ヨーロッパや北アメリカの一部の地域で、古の時代にアルコールがどのように使われてきたかは、いまだにほとんどわかっていない。今後、驚くべき発見があるものと期待できる。」

  お酒の起源はどんなだったのか、考古学者が研究を続けているテーマです。果実、穀物、そして微生物によってできていく原初のお酒はどんな味で、どんなものだったのか。

そして人間の進化と共に影響を受け、与え、地球的規模でまさに熟成、醸されていく。興味は尽きません。 

人間が400万年以上にわたって利用してきた文化の証アルコール。人類、地球にとっても必要不可欠な存在としてのアルコール飲料について熱く語っています。

「つまるところアルコール飲料はこの地球で四00万年以上にわたって初期や現生の人類が利用してきたあらゆる薬物の中で独特だ。全世界の人々を魅了するその傑出した存在 ― 人間の身体にも社会にも宗教にも欠かせない絶対的存在とでも言おうか ― はヒトと生物種とその文化の発展を理解するうえでも重要である」 と。

 

 

酒の功罪、語られてきた歴史

アルコール飲料の歴史には絶賛するべきところばかりではなく、諸説、功罪を論じてきた過去がある。こうしたリスクがあるにもかかわらずアルコールほどもてはやされてきた物質はないとしながらも心理学者ウイリアム・ジェームズの名著「宗教的経験の諸相」を引き出している。

「アルコールが人類に対して猛威を振るうのは、確かにアルコールが、ふだんは冷たい現実と正面(しらふ)の仮借のない批判とによって押さえつけられている人間性の神秘的な能力を刺激する力を持っているからのことである。正気は縮め、分離し、そしてノー(否)と言い、酩酊は広げ、統合し、そしてイエス(諾)という。事実、アルコールは人間の中の応諾機能の大きな推進力なのである。・・・・」   

 

 

 

9000年前の酒

 9000年前の酒はどんな味?ますます深まっていく疑問と深めるほどに顕在化していく意識はアルコールを飲んでいないにもかかわらず太古の世界に引き込まれていきます。

トウモロコシのビール、バナナのワイン、大麻入りの酒、神話や伝説の飲み物・・・興味は尽きません。
世界中を旅し摩訶不思議な先史の飲料を再現してきた考古学者が語る、酒と人類の壮大な物語に、創造とイメージが拡大しロマンが顕在化して。その時代に溶け込んでいくような感覚さえ感じてくる。
その時代の土器に付着した有機物を分析して太古の酒を再現する著名な研究者パトリック・マクガヴァンが、先史時代のアルコール飲料を求めて世界を巡った成果をもとに古代文明の姿を描きます。文明が酒を造ったのか、はたまた酒が文明をつくったのか、この面白いテーマは永遠に続くのです。

フェニキア人がワインだけでなく、ワインを中心にしたライフスタイルまで輸出した様子や、ゾロアスター教の神酒ハオマの原料の推定、トウモロコシの栽培化をビールづくりが促したという仮説など、アルコールの文明に対する影響力の大きさ、アルコール飲料の視点から語られるユニークな文明史です。

 

 

9000年の酒の歴史

 結論的な脈略はここに帰結を導き出している。アルコール飲料が新石器時代(紀元前7000-5000)から存在したというのが驚きだが、そこでブドウを含めた果実酒がベースとなる。サルも含めて、果実と樹液、はちみつとが発酵したものがアルコール飲料の起源だろうという著者の説は実に説得力がある。

きっと9000年前から人間は食事の一部、食品としてお酒を利用し文化に取り入れていたのだろう。食品を保存するために利用したことも、健康にいいものとして取り入れたことも試したことだろう。人間が進化していくうちに生活の一部、食事の一部から独立したアルコール飲料が分離したのかもしれない。 

 

 

ビールの起源は素朴な必然性

穀物の栽培と同時に起こったがビール類だという。古代エジプトにおいてビールが庶民が飲んでおり、ピラミッド建設にも振る舞われたという話は驚きだが、さらには、ワイン造りのブドウがエジプトでも栽培されたらしい、その為に、ブドウの苗木を船で運んでいたらしいという話もなるほど面白かった。かのピラミッドに使われた巨石を運ぶ原動力がビールであるとすれば、日本的な発想にはなるが、身体を清める御神酒的な意味合いもあったのかもしれない。

アメリカ大陸に関しては、南アメリカ南部の遺跡から始まる。興味深いのはカカオに関する記述。随所に、古代飲料の再生の話が出ている。話題性に富む話に違いない。

 アルコールを作って飲むのは、人間の遺伝子の中に組み込まれているのではないかというのが著者の説だが、アルコールなどによる興奮状態や集団としての一体感というのは、人間集団に備わった機能かもしれない。ALDH酵素や遺伝子の話も出てくるが、東アジア人の遺伝子特性は、歴史的に早くからアルコール飲料に接していたから、その予防のためではないかというのが著者の解釈には賛同できる。
この本を読んで気になるのは、縄文時代の日本人は、アルコール飲料をどうしていたのかということ。果実酒があったのだろうか。日本人としても、つたない経験から言わせてもらえば、当然果実を縄文人は獲得していたし、それだけの高い文明と集団としての社会性の中で神事などには欠かせないものとして利用していたのではないだろうか。

 

 

参考:「酒の起源」 白揚社

パトリック・E・マクガヴァン(Patrick E. McGovern)著

ペンシルベニア大学考古学人類学博物館「料理、発酵飲料および健康に関する生体分子考古学プロジェクト」のサイエンスディレクター。

商品についてはこちら

家庭料理にお似合いのお酒を提案します。ご夫婦で、ご家族みんなでお食事するシーンに飲みやすいカジュアル感覚のお酒が意外にないのです。特に酸味のきいた軽めのお酒を集めました。発泡清酒と白麹の澄んだ爽やかさ

家庭料理にお似合いのお酒を提案します。ご夫婦で、ご家族みんなでお食事するシーンに飲みやすいカジュアル感覚のお酒が意外にないのです。特に酸味のきいた軽めのお酒を集めました。普通の家庭料理を彩るライトな食中酒をおすすめ。密リンゴこうとくだけで仕込んだ軽めのシードル