シードルポワレは洋なしの発泡酒

シードルポワレの産地とこだわり

 優雅な発泡酒と呼ばれるシードルポワレですが、日本ではようやく製造が見えてきましたが、実はヨーロッパではぶどうのワインに匹敵する歴史あるという。

ポワレとは発泡酒を指します。新鮮な洋なしの果汁から生成される香り豊かな黄金色の発泡酒です。

同様に果実を原料とする歴史ある発泡酒として、りんごを用いたシードルが良く知られていますが、洋なしのポワレはシードルよりもアルコール度数が低く、フレッシュな味わいが楽しめるのが特徴です。軽やかな梨の香りのポワレは、パーティーの場や友人とかわす食前酒などにぴったりです。

りんごの産地として有名なノルマンディー地方ですが、実は11世紀にスペインからシードル用のりんごがもたらされる前から、この地方では梨の木が栽培されていました。 中でも超有名産地ドンフロン地区では、温暖な気候と肥沃な土壌の恩恵を受け、100以上の品種の10万本以上の洋なしの木から、年間平均で25000トンもの梨をポワレのために生産してきました。日本の洋なし全国生産の量に匹敵する量がすべて洋なしポワレの醸造だけに使われることになります。この地域での洋なしポワレの伝統的な奥深さが伝わってきます。

 

 洋梨の発泡酒 洋なしポワレの産地

 フランス北西部ノルマンディー地方のバニョール・ド・ロルヌ市より西へ20キロほどのところにあるドンフロン市周辺ではりんごと共に洋梨の栽培も盛んに行われています。フランス語で「洋梨」は「ポワール(Poire)」そして発泡酒は「ポワレ(Poiré)」と言います。ポワールポワレ、洋なしポワレ、シードルポワレということになるでしょうか。

 4月中旬~5月はノルマンディーの緑豊かな田園風景の中に薄ピンク色のりんごの花、真っ白な洋梨の花が咲き誇り、あちらこちらでお花見が楽しめます。ノルマンディー地方には「シードル街道(La Route du Cidre)」があることはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、このドンフロン市を中心に83kmほどの「ポワレ街道」というのもあります。

洋なしやリンゴの花の時期にはさぞかし美しいことでしょう。リンゴや洋ナシの甘い華やかな香りに包まれることでしょう。

伝統的な製造法ドンフロン地区のポワレとはどんなものでしょうか。ドンフロン地区のポワレで原産地呼称保護認定を受けている洋梨の品種は30種類ほどあります。その土地に伝統的に受け継がれている製法で、EU(ヨーロッパ連合)の厳密な規定をクリアしたものに認められる品質保証制度が確立されています。その深い伝統が厳密な決まり事で守られているのもフランスらしい、ヨーロッパらしい注目したいところです。

  

ポワレ・ドンフロンは原産地統制呼称

 ポワレ・ドンフロンはAOP(原産地統制呼称)の認定を受けており、ドンフロン地区で伝統的な製法で作られたポワレのみが《ポワレ・ドンフロン》を名乗ることが認められています。
まさに厳格なルールのもとに伝統製法が守られ伝えられています。栽培方法、品種、収穫方法、製造方法などなど、厳しい規定が定められています。

ポワレ・ドンフロンの原料となる梨の約4割はプラン・ド・ブランという品種が使用され、甘みとまろやかさをもたらします。毎年10月から11月にかけて草地に落ちたばかりの梨が人の手と機械によって集められると、選別されて砕かれた後に梨はプレスされ、透明で香り豊かな黄金色の果実が抽出されます。

 醸造樽の中で34か月の期間をかけてゆっくりとこの果実を発行させることで、細やかな泡が特徴のポワレが生成されるのです。品質審査を経てポワレ・ドンフロンのAOPを得ることができます。

 

 日本と全く違う栽培と厳格な産地ルール

 まず栽培方法の違いですが、もちろん現地の品種プラン・ド・ブランは日本では栽培されていませんが、例えば洋なし・ラフランスの大産地、山形県での栽培方法です。

洋なしの満開の時期は実は現地の写真で見るものとは違い、山形の洋なしの満開はあまりボリュームがありません。それは、花の時期から花を間引く花摘みをする場合があるからです。

この地域の栽培は写真で想像する限り、自然に任せた栽培方法をとっているようです。花摘み、(摘花)実を間引く(摘果)という手間のかかる作業はしていないと思われます。

そのため、日本の洋なしのように実は大きくならないと思いますが、数多くの実が収穫できるのでしょう。日本の果実の栽培方法はひとことでいうと実を大きくする為に徹底して実の数を制限します。それに対して、実は小さくとも、自然に任せた実の着き方を制限なしに充実させていく栽培方法なのだと直感しました。

制限よりも可能性を追求するということでしょう。小手先の制限よりも土壌の改良であるとか、そこに必要な自然環境にかなった栽培方法を追求してきた歴史を感じます。

この点が、まったく栽培方法に感じる伝統の深さの違いかもしれません。

 

ポワレ・ドンフロンの味わい方

 ポワレ・ドンフロンは、フリュートグラスかチューリップグラスで味わいましょう。浅い広口のグラスでは、発泡酒の特有の香りを逃してしまい、せっかくのポワレ・ドンフロンの魅力を損ねてしまいます。したがって、香りを閉じ込めることができるスマートなシルエットのグラスの方が適しているのです。また、ポワレ・ドンフロンの魅力が最も発揮される温度は10度とされています。それより温度が低いと舌が十分にその味わいを感じられず、逆に高いと魅力の一つであるキリッとした風味が損なわれてしまうのです。 

かといって、格式張って高貴な飲みかたをするでもなく、ビールのように人が集まれば、食前、食中酒として陶器の容器でガブ飲みしていたり、カジュアルな飲み物の印象もあります。どんなシーンにもその場に合った料理に合わせ、飲み方にも、スタイルも多様性を持ち込んでいるのではないでしょうか。

特に生産者の人たちを見ると集まって、大騒ぎしながら楽しく飲んでいるシーンがとても印象的です。

 

資料参考:フランス観光開発機構ほか

 

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