洋梨100%シードルのお話し

最近ですが、シードルは国内でも生産されるようになり、少しずつですが一般化されてきました。お酒の専門店などでも見かけることが多くなったし、通販を使えばすぐに目当てのものが見つかるのではないでしょうか。洋なし原料のシードル シードルポワレとなると外国産、国産問わず、中々オンラインショップでも見つけづらい状況があります。そこには洋なしの原料事情が関わっていることが見えてきます。

 

洋なしシードル、シードルポワレ 

洋梨の発泡酒シードル、またの名をフランスではシードル・ポワレとも言います。洋梨の天然果汁を100%使用したシードルの一種だということなのですが、あまり知られていないのも事実です。それもそのはず、フランス国内でも知名度はりんごのシードルに比べると本当に低いのですから当然ですね。

 伝統製法、洋ナシの種類、気候、その土地の土壌、栽培方法までたくさんの個性一杯の特徴がこの味の深みを裏付けているのです。

 

 シードルポワレ 原料事情

 りんごの産地として有名なノルマンディー地方ですが、実は11世紀にスペインからシードル用のりんごがもたらされる前から、この地方では梨の木が栽培されていました。 中でも超有名産地ドンフロン地区では、温暖な気候と肥沃な土壌の恩恵を受け、100以上の品種の10万本以上の洋なしの木から、年間平均で2500㌧もの梨をポワレのために生産してきました。日本の洋なし全国生産の量の10%以上に匹敵する量がすべて洋なしポワレの醸造だけに使われることになります。この地域での洋なしポワレの伝統的な奥深さが伝わってきます。
世界では、西洋なし(洋梨)生産量の世界一は中国で、世界シェアは71.1%です(2019年)。

洋梨世界生産

世界では生産量1位の中国、2位のアメリカ、3位アルゼンチンの3ヶ国あわせて、世界の生産量の約76%を生産しています。日本は12位にランク1%のシェアです。

  

日本の洋なし生産量は約2万㌧前後

前述の通り、日本の風土の多くは洋なしの生産に不向きであるため、収穫量第1位の山形県だけで6割、以下に続く長野県 青森県 新潟県 岩手県 福島県を合わせた上位6県で収穫量の9割以上を占める。

わが国の西洋なしの生産量は23,600トンで、山形県で全国の約6割の生産がされています。次いで、長野県、新潟県、青森県の順で、これらの県の合計生産量は全国の85%になっています。

 洋梨国内生産

 

日本の洋梨品種の事情

不思議ですが、短い期間、フランスで栽培されましたが、他の洋梨に比べて実を付ける期間が1か月ほど長いうえに、病気にかかりやすく栽培に手間がかかるため、1900年代初頭にはフランスでは絶滅したといわれます。
現在、ラフランスを栽培しているのは、世界中でもフランスでの絶滅寸前に苗が持ち込まれた日本だけで、そのうちの約8割が山形県で栽培されています。

 洋梨品種

 

毎年11月11日はラフランスの日

1,ラフランス発祥の地であるフランスの第一次世界大戦の終戦記念日であること

2,ラフランスが成熟して最も食べ頃な時期であること

この2点から1111日がラ・フランスの日に制定されました。 

ラ・フランスが発見されたのは1864年。まだ発見から150年程度しか経っていない、比較的歴史の浅い果物です。

発見者があまりの美味しさに「我が国を代表するにふさわしい果物だ!」と絶賛し、ラ・フランスという名前がついたようです。

そんなフランスの誇る果物ですが、現在フランスではすでに一度絶滅してしまったといいます。しかし、なぜ発祥の地で絶滅してしまったのでしょうか。そして、何故日本で残ったのでしょうか。

 山形の洋梨

 

 ラフランス栽培の手間の多さ

5月のはじめに花を咲かせてから約5ヶ月後の10月中旬に、ようやく収穫を迎えます。

開花から通常1ヶ月〜3ヶ月程で収穫できる果物が多い中、ラ・フランスは5ヶ月かかるというのはかなり長いほうです。

開花しても摘花を何度も繰り返し、その作業の中で厳選された約12割の果実だけを育てていくため、収穫の頃にはごくわずかな量しか獲れません。

 洋梨ラフランスの花

 

生まれ故郷フランスでの栽培事情

厳選した分甘みが各果実に行き渡り、「バター・ペア」と呼ばれるにふさわしい濃厚な甘みと芳醇な香りを持ったラ・フランスができるのですが、かかる時間と苦労の割に収穫量が少ないのは効率が悪いですね。 

また原因の二つ目は、フランスの気候にあまり適していないということが挙げられます。

フランスは比較的穏やかな気候で、寒すぎたり暑すぎたりということがありません。

また乾燥した地域であることも、湿潤な地域が適するラ・フランスには合わない気候でした。

フランス発祥の果物ではあるものの、見つかったのは本当に偶然だったのですね。 

フランスで絶滅してしまったあとも栽培を続け、日本一の生産量を誇っているのが山形県です。

 ラフランス園地

 

ラフランス100%を使ってシードルを 

本場フランスで絶滅して、日本では洋なしのシェア1位の山形ラフランスを原料にフランスでバターペアと当初絶賛されたラフランス100%を原料にシードポワレをつくりました。

 

ラフランスシードル

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