日本はワインベルトの真中の産地
ワインベルトはというと、北半球では北緯30~50°の間に位置する地帯、またアルゼンチンなどの南半球では南緯20~40°間に位置する地域を指します。いずれもぶどう栽培およびワイン醸造に適した地域のこと。 年間平均気温10~20℃で、ぶどうの花の開花から収穫までの時期の日照時間が年間1250~1500時間、年間降雨量500~800mmという条件がついています。
ワインベルト年間降水量が過剰
世界でも多雨地帯であるモンスーンアジアの東端に位置する日本は、年平均1718mmの降水量があり、これは世界平均(880mm)の約2倍に相当します。 しかも、日本の降水量は季節ごとの変動が激しく、梅雨期と台風期に集中しています。
ワイン用のブドウの多くの品種に適しているとされる条件は以下の通りです。
1.年間の平均気温が10~16℃
2.ブドウの花の開花から収穫までの期間の日照時間が1250~1500時
3.年間降雨量が500~800ミリ
4,水はけの良い土地
という条件になります
ワイン用ブドウ栽培上の問題定点
ワイン大国呼ばれるフランス、イタリア、スペインと違いは大きくは降水量、栽培土壌の条件、地下水の硬度になります。
特にフランスボドーの土壌は①傾斜地の石灰粘土質,②石灰粘土砂質, ③低地の石灰砂質土壌)で栽培している。
山梨(勝沼市)は山梨県の土壌分布をみると,主なブドウ産地で ある甲州市勝沼町や笛吹市一宮町は,やや粘土分 が多い洪積土(壌土)です。
この違いによる影響も生育ばかりでなく、雑草などの植生にも大きな関りがあると考えられます。
この降水量の多さによる問題はブドウ栽培を行う上で、大きな障害
- 雑草の多さが栽培作業に多くの労力がかかる。
- 雨が多い事で湿度が高く病害虫の防除の回数が多くなり、被害が出やすい。
- 灌漑水や地下水の硬度の違いがブドウ栽培にマイナスの影響がでる。
- 雨が多い事や、日本特有の土壌からワインに大切なブドウの糖度が高くならない。
山梨県の年間雨量は
日本のワインベルの条件の中でどうしてもクリアできない条件は年間降雨量です。日本の中でも特に降水量の少ない山梨県でさえ、降水量条件(500~800ミリ)の2倍近くあります。
山梨の日照時間は年間約2,200 時間で全国平均(約1,900 時間)に比べて長く、年間降水量は約1,100mm と全国平均(1,714mm(?))に比べてかなり少なくなっており、日照条件に恵まれた地域といえます。
しかし、降水量だけはクリアできません。年間降雨量が500~800ミリの2倍近く雨が降るということになります。
1.年間の平均気温が10~16℃→クリア
2.ブドウの花の開花から収穫までの期間の日照時間が1250~1500時→クリア
3.年間降雨量が500~800ミリ →2倍近く
4,水はけの良い土地 →ややクリア
ブドウ栽培の最適条件
なぜ北緯30~50度、南緯20~40度にワイン産地が集中しているのかというと、それは、ブドウ栽培に適した気候がこの範囲だからです。
ブドウ栽培に適した気候条件としては、年間の平均気温が10~20度で、ブドウの栽培において発芽から成熟に必要な日照時間が1000~1500時間、年間降雨量が500~900ミリという条件を満たしている場所がブドウ栽培において適した環境となっています。
それが、ちょうどこのワインベルトの緯度帯に集中しているというわけです。日本のワイン生産の条件は年間降水量が大きな障害になっていることは間違いありません。
上記の条件を満たすのは、北半球においては北緯30~50度、南半球の南緯20~40度。
地球を取り巻く2つの帯のようなこの地域はワインベルトと呼ばれ、ワインの有名な産地はほぼこの地域内にあります。