シードルポワレはラフランスから

ラ・フランスは1864年、フランスのクロード・ブランシュ氏が発見した品種です。そのおいしさに「わが国を代表するにふさわしい果物である!」と賛美したことから「ラ・フランス」と名前がついたといわれています。ラフランスが西洋なしの女王になるまでの下積み物語が始まります。

ラフランスの役目は100年間の裏方

  山形弁で「みだぐなす」とは「見ためよくなし」といい、訛って「なす」とは「なし」「梨」でもありつまり「見栄えが悪くかっこ悪い梨」という意味を込めて見下しているのです。

こんなあだ名をつけられていたラフランスなのに、その驚くほど上品でとろけるようなおいしさが知れわたるや、一躍フルーツ界の女王となりあがりました。いま、生産量では山形県が全国の約80%を占め、「果物王国やまがた」の中でも、まさに西洋なしの女王様に上りつめました。まさにシンデレラストーリーと呼ぶにふさわしいお話しなのです。
 そもそも西洋なしは16世紀頃からドイツ、イギリスで栽培されはじめ、18世紀のイギリスで代表的品種、バートレットが発見されることになりました。これが明治初期、日本に入ってきたといわれています。

山形県では、古くからの和梨の産地である東置賜郡屋代村(現在の高畠町)で明治8年に栽培を始めたとされる。
 しかし当時は、実ったはずの果実を食べても、石のように固くてまずい。「こんなもの食べられないと捨てておいた。それが時間がたつと黄ばんで香りがしてきたので、拾って食べたらおいしかった。収穫後に熟させて食べることに初めて気づいた」という笑えない記録が残っているようです。

 

100年過ぎて主役に、長い下積み時代

ところが時代が変わり、昭和40年代頃から缶詰よりも生のフルーツへと需要が移ると、生食用の決め手としてラフランスの真のおいしさが注目されるようになった。
 ラ・フランスは、別名「バター・ペア」。特有の芳香と、果汁がしたたるち密な肉質は、まさに西洋なしの最高峰。当初は高価な果物としてわずかに出回っていたが、グルメブームの到来で、広く一般的に入手できるようになった。
 ラ・フランスは西洋なしの中で一番開花が早いが、実がなるまでに時間がかかる。生育期間が長ければその分手間がかかるし、病害虫や台風の影響も受けやすい。故郷のフランスで作られなくなったのもこのためでした。
 有機質を入れる土作りから始まり、枝のせん定、病害虫防除、つぼみの段階での数の整理・実の数の整理を重ねて大切に育て上げる。官民一体の研究努力が実り、ようやく生産体制が安定したのが昭和60年頃。これ以降は、栽培面積、収量ともグンと伸びてきました。

 

山形ラフランスの100年の歴史

 そんなことで、山形県には樹齢100年のラフランスの樹が存在していることから、歴史は古いが美味しさが認められて陽の目を浴び注目されてからはまだそんなに年月がたっていないのです。

ラフランスは下積み時代が100年経ってはじめて美味しさが認められた苦労人、その粘り強さは東北人、山形県人、に通いじるところがあるようでなりません。何事にも物静かで粘り強い性格は通じるところがあります。大いに見習いたいところです。 

一方で、山形県屋代村相森の古文書には、「明治42年、皇太子(後の大正天皇)行啓の折に日本なしを献上したところ大いに喜ばれ、金一封とバートレットの苗を賜わった。これが本県の西洋なしの歴史のはじまり」という内容もあるようです。

あれこれ推察すると、明治初期に確かに苗木はあったが、皇太子行啓をきっかけに、山形での西洋なしづくりの機運が一気に高まったと考えられます。
 その後バートレットは缶詰加工用として盛んに作られる。このバートレット畑に細々と植えられていたのが、当時は受粉樹の身だったラ・フランスだったのです。ふつう果樹は単一品種だけでは実がなりにくい。そこで違う品種を受粉樹として畑に入れ、実を結ぶ確率を高めるという栽培手法をとるのです。ラフランスはバートレットの生産を陰から支える「縁の下の力持ち」という存在が約100年間続いていました。 

バートレットの受粉樹で100年間つとめる 

ラフランスは日本には明治36年に、山形県には大正初期に入ってきたということです。しかし生まれついての「みだぐなす」と呼ばれる見た目の悪さと、栽培に手間がかかることから、バートレットという西洋なしの受粉用の樹として日陰の立場に甘んじていた期間が100年ほどの期間があったことになります。

ラ・フランスは当初、生産の主役であったバートレットの結実を助ける受粉樹として導入された。見かけの悪さもあって裏方に甘んじていたが、その実、大変に美味であることは栽培者の間で知られていたことも事実のようです。

本国でのラフランスの人気はどうか

 1864年にフランスのクロード・ブランシュ氏が発見し1903年に日本に輸入されたラフランスはフランス国内ではどんな人気なのか気になるところですね。

ラ・フランスは西洋なしの中で一番開花が早く、果実がなるまでに時間がかかること。生育期間が長ければその分手間がかかるし、病害虫や台風の影響も受けやすい。故郷のフランスで作られなくなったのもこのためでした。「病害虫に弱く手間がかかる」ことが現在フランス国内では絶滅状態になっているということが現実のようです。
このような状況があって1991年に山形県のJAてんどうがフランスにラフランスの苗木を1000本贈ったという事実も「フランスでラフランスが絶滅しそう」という状況があったからと思われます。

 

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